◆Art MAISON International VOL.23
”東洋と西洋の出会い”をキーワードとして
1996年より創刊されている国際美術書『アートメゾン・インターナショナル』。
監修はLillyがVIP会員として認定されているスペインの美術団体『A.M.S.C』で、
同美術書では、世界各国の美術関係者らに才能を認められている日本の芸術家の作品それぞれの本質が読み解かれている。
Lillyの作品は前VOL.22より特集されており、
その当時は作品『宙へ』と『希望』が掲載されている。
◆”生命力という人間の究極の欲望”
VOL.23で掲載されたリリーの作品は、
『太陽の化身(左)』と『決意(右)』。
心臓の鼓動や生命の象徴である『太陽の化身』と、
心の淀みが引き、まっすぐと進んでゆく姿勢を感じられる『決意』。
Lillyのこの幻想的、独創的な画風を、
美術界の権威たちはどう読み解いたのだろうか。
監修を務めたスペインの美術団体「A.M.S.C」の委員長である
アルフォンソ・ゴンザレス=カレーロ氏が送ったコメントの和訳がこちら。
【太陽の化身・決意へ – 日本語訳】
解放された無意識の感覚が図像を表現するシュルレアリスムは、
ダダイズム(既成の常識に囚われない姿勢)からの
ロマンティックな分裂によって生まれたものだ。
Lillyの作品は、シュルレアリスムからのスピリチュアルな分離であると言える。
作者の思考と非現実への傾倒が反映された彼女の作品からは、
生命力という人間の究極の欲望を感じる。
彼女が展開しているのは、
心に抱く宇宙と自身の間に在る暗示的で不可思議な存在のイメージだ。
それは『太陽の化身』と『決意』において特に顕著で、
豊かな色彩は我々をファンタジーの世界へ誘う。
『太陽の化身』には燃える天体が、
『決意』には迷いを払しょくして流れる黄金の川が流れているのだ。
以上のことから、Lillyはシュルレアリスムの画家たちの一人として考えることが出来る。
彼女はその作品で我々の目を楽しませるばかりでなく、
内なる人生の領域と観る者を連れていくのである。
アルフォンソ・ゴンザレス=カレーロ
Lillyの独特な世界観は彼女の人間性や無意識の感覚から成り、
作品それぞれが、様々なエネルギーを放っているように感じる。
こうして、Lillyの画風や本質を読み解くことにより、
Lilly’sGalleryの作品鑑賞をより一層有意義に、具体的にできるのではないだろうか。
これらを踏まえたら改めて、気になる作品を観て、感じてみよう。
◆関連リンク
・掲載作品『太陽の化身(左)』作品ページはこちら
・掲載作品『決意(右)』作品ページはこちら
・2018年のアートメゾン・インターナショナル(Vol.22)の記事はこちら